制服記

いつまでも不自由を愛さないでね。

なつのひるのでーと、にねんまえのかきごおり

 

私が思っているより、いつも世界は単純だ。

私はどうも深読みしてしまうタイプで、女の子の扱いではだいたいうまくいくんだけど、男の子はてんでだめ。前日に泣きそうになりながら推測した相手の思案は1%もかすっちゃいない。「そこまで深く考えてないよ」といつも言われてしまう。

 

彼は私がそんな風に考えていたことすらしらない。いつもどおり遅刻なのはわかっていたけど、炎天下の中1時間の遅刻はひどい。けれど恋人じゃないうちなら大体なんでも許せる。かわいい。

 

目的だったかき氷屋さんは並んでいたのでチケットを発券した。2年前は場所も違ったしこんなにハイテクじゃなかったな。ただ、50分も待つらしい。どっかで涼んでて、と言われたので駅から5分程度のカフェを見つけて位置情報を送る。しばらくすると彼が「ごめん~」と軽く1回だけ言った。この人は本当に言葉にしないと言うか言葉にできないタイプなのだろうなあと思う。あれだけメッセージで謝っていて私が笑っちゃうくらいだったのに、かわいいなあ。

とっかかりやすい就活の話をしているうちにかき氷屋さんの順番が来て、う~んまあどうにかなるかといって少し遅れて席を立つ。コーヒーを飲む間、私の同期の女の子、彼が打ち上げで話していて私が辛くなっていた子だけど、の話も出たけど、慎重に探った結果別にそれほど関わりがなさそうなのでこの話は割愛。遅れた分、と代金を払ってくれた。さらっと金払いがいいのもすきだ。

 

かき氷屋さんに行くと、他のお客さんを先に入れてしまったからとちょっと待たされる。待ち時間で腰掛ける席がちょっと近くて嬉しくなってしまう。だいぶ会話も解れてきて、いつも遠慮していたようなことも聞ける。彼も、割と真剣に話してくれる。私たちはなんだか、ちょっとずつ相手を信頼している。というか、私がか。毎回味わっている少しずつ距離の縮まる感覚を思い出した。かき氷屋さんでは今流行りの生のフルーツソースを掛けたものを食べて、その間にどうでもいいようなことを話した。バイトとかそういう話をしていて、彼が相当、普通の社会人くらい稼いでいるみたいな話になって、「先輩にパパ活したいです~」というと、「して~」って返ってきたので普通にうれしくなった。金銭授受があれば、仕事として成立するんではないかな?どうかな?

 

そのあと解散の予定だったんだけど、どうする?みたいな話になったのでとりあえず延長してみた。夜までは長引かせないと決めていたので、夕方くらいまでという暗黙の想定で、行きたかったところに連れていった。道すがら、私の言ったことについて話したり彼について聞いたんだけど、「え~秘密、多くは語らないタイプだから」と言われてなんだそれと思いながら歩いた。みなとみらいの新しくできた商業施設。あそこらへんの商業施設は中身がスカスカ、なんて話をしながら例にもれず中身がスカスカの新しい商業施設を一通り巡った。酒は飲まないと決めていたのだけど、締めに困ってビールを野外で飲んだ。適当に目の前にいる犬をかわいいね~と眺めていて、私がふと「いいなあ犬は、お手すればかわいがられて」と口に出した。私は何も考えずにこんなことをいうんだけど、大体みんな同意したりなにそれと一笑する。彼といえば真顔で手を出してきて、私も真顔でお手をした。左だからおかわりか。彼が真顔過ぎて「全然喜んでない~!」と文句を言ってみたけど、こういうところだ、たぶん、私が彼をすきなのは。こういうどうでもいいところで、予想はつくけど、でも意外にみんながやらない反応をする。思考がどこか似ているのだろうか、そうだとうれしいな。こういう私にドンピシャな反応とか空気とか、そういうものがだいすきで魅力的だと思う。彼はいつもそんな感じ。

 

お礼のメッセージはまた彼からだった。メッセージのやり取りは意外に続いて、やっぱり仲良くなっている気がする。写真を送ってみたり、どうでもいい会話を続けたり、見つけたツイートを送ってくれたり。いつもよりかわいくて、次は昼のデートじゃなくて銭湯になりそう。夜は危ないからなあ、気を引き締めないとなあと思いつつ、彼の返事がかわいい。

 

まだ連絡は一応続いている。今日は彼の誕生日だ。すっかり忘れていた。昨日言っておけばよかった。まあいいか。渡しそびれたプレゼントとともに、次回言おう。